ホームページ制作を成功させるには?まず「目的を明確にする」ことから始めよう

ホームページ制作で最初に考えるべきこと

ホームページを新しく作るときやリニューアルするとき、多くの人が最初に考えるのは「どんなデザインにするか」ではないでしょうか。

「おしゃれなホームページにしたい」
「スマートフォンでも見やすくしたい」
「会社のイメージに合ったデザインにしたい」
「競合他社よりもかっこいいサイトにしたい」

もちろん、デザインはホームページの印象を左右する重要な要素です。しかし、ホームページ制作を成功させるためには、デザインを考える前に「このホームページで何を実現したいのか」を明確にしておくことが大切です。

ホームページは、単に会社や商品の情報を掲載するためのものではありません。

新規顧客を増やしたいのか、問い合わせを増やしたいのか、採用につなげたいのか、会社の信頼性を高めたいのか。それによって、掲載する情報もページ構成もデザインも、ユーザーを導く導線も大きく変わります。

つまり、ホームページ制作における「目的」は、サイト全体の方向性を決める設計図のような役割を持っています。

「ホームページを作ること」は目的ではない

ホームページ制作でありがちな失敗の一つが、「ホームページを作ること」そのものが目的になってしまうケースです。

例えば、

「古くなったから新しくしたい」
「スマートフォンに対応したい」
「競合他社がリニューアルしたから、自社も新しくしたい」
「会社案内を掲載するためにホームページが必要」

といった理由で制作を始めることがあります。

これらはホームページを制作する「きっかけ」としては十分ですが、ホームページを通じて何を実現したいのかという「目的」とは少し異なります。

例えば「古くなったからリニューアルする」という場合でも、その先には、

「問い合わせを増やしたい」
「サービスの魅力をもっと伝えたい」
「検索から新規顧客を獲得したい」
「採用応募を増やしたい」
「企業としての信頼感を高めたい」

といった、本来の目的があるはずです。

この「なぜホームページを作るのか」を掘り下げることが、ホームページ制作の第一歩になります。

目的によってホームページの作り方は変わる

ホームページの目的が違えば、必要なコンテンツやサイト構成も変わります。

例えば、新規顧客からの問い合わせを増やすことが目的なら、サービス内容を分かりやすく説明するだけでは十分ではありません。

サービスの特徴
他社との違い
自社ならではの強み
料金や利用方法
導入・利用までの流れ
実績や事例
お客様の声
問い合わせへの導線

など、ユーザーが「ここに相談してみよう」と判断するために必要な情報を考える必要があります。

一方、採用を目的とするホームページであれば、仕事内容や募集要項だけでなく、

どのような人が働いているのか
職場の雰囲気はどうなのか
どのような考え方で仕事をしているのか
入社後にどのようなキャリアを描けるのか
働く環境や福利厚生はどうなっているのか

といった、求職者が「ここで働く自分」をイメージできる情報が重要になります。

このように、目的を明確にすることで、ホームページに必要な情報が自然と見えてきます。

まず「誰に」「何をしてほしいのか」を考える

ホームページの目的を考えるときは、単純に「問い合わせを増やしたい」と決めるだけでは不十分です。

「誰に、何を伝え、最終的にどのような行動をしてほしいのか」まで考えてみましょう。

例えば、工務店のホームページなら、

「住宅を建てたい30~40代の家族に、自社の家づくりへのこだわりを知ってもらい、相談予約につなげたい」

という目的が考えられます。

この場合、単に「住宅を建てています」と伝えるだけではなく、施工事例や家づくりの考え方、素材へのこだわり、性能、スタッフの人柄などを掲載し、最後に相談や来場予約へつなげる必要があります。

また、BtoB企業の場合は、

「自社の技術や実績を知ってもらい、新規取引先からの問い合わせにつなげたい」

という目的になるかもしれません。

その場合には、対応可能な業務や設備、技術力、実績、取引分野などを具体的に伝えることが重要になります。

つまり、ホームページは「何を掲載するか」よりも先に「誰に何を伝えるのか」を考えることが重要なのです。

「目的」と「目標」は分けて考える

ホームページ制作では、「目的」と「目標」を混同しないこともポイントです。

目的とは、ホームページを通して最終的に実現したいことです。

一方、目標は、その目的を実現するために設定する具体的な成果の基準です。

例えば、

目的:新規顧客を増やす
目標:ホームページからの問い合わせを増やす

という関係です。

さらに具体化すると、

目的:新規顧客を獲得する
目標:ホームページからの問い合わせを月10件獲得する
手段:サービスページを充実させ、検索流入を増やし、問い合わせまでの導線を改善する

というように整理できます。

このように目的・目標・手段を分けて考えると、制作後に「このホームページは本当に役に立っているのか」を判断しやすくなります。

目的が曖昧なままだと起こりやすい問題

ホームページの目的が決まっていない状態で制作を進めると、さまざまな問題が起こりやすくなります。

必要な情報が決められない

目的が明確でなければ、「何を掲載すべきか」の判断が難しくなります。

とりあえず会社概要、サービス紹介、アクセス、問い合わせフォームなどを掲載して完成させることはできますが、それだけではユーザーが求める情報を十分に提供できない可能性があります。

デザインの方向性が定まらない

デザインについても同じです。

「シンプルにしたい」「高級感を出したい」「おしゃれにしたい」といった要望だけでは、デザインの判断基準が曖昧です。

例えば、高級住宅を扱う会社と、若者向けの美容サービスでは、同じ「おしゃれ」でも適したデザインは大きく異なります。

誰に何を伝え、どのような印象を持ってもらいたいのかが明確になれば、色・写真・フォント・レイアウトなどの方向性も決めやすくなります。

ページを増やすことが目的になってしまう

「情報が多いほうが良い」と考えてページを増やしていくこともあります。

しかし、ページ数が多ければ良いホームページになるとは限りません。

重要なのは、ユーザーが必要な情報を見つけやすく、理解しやすく、次の行動へ進みやすい構成になっていることです。

目的が明確であれば、「このページは何のために必要なのか」という視点から、ページの必要性を判断できます。

目的を決めると「ユーザー視点」のホームページになる

ホームページ制作では、「自社が何を伝えたいか」だけでなく「ユーザーが何を知りたいのか」を考えることが重要です。

例えば、企業側からすると「創業50年」「最新設備を導入」「高い技術力」といった情報は大きなアピールポイントかもしれません。

しかし、ユーザーが知りたいのは、

「自分の悩みを解決できるのか」
「他社と何が違うのか」
「いくらくらいかかるのか」
「安心して依頼できる会社なのか」
「実際にどのようなサービスを受けられるのか」

といった情報かもしれません。

そのため、ホームページでは自社が伝えたい情報と、ユーザーが知りたい情報を重ね合わせることが重要です。

目的を明確にすると、「この情報は本当にユーザーに必要なのか」「このページから次にどこへ進んでもらうべきなのか」という視点でサイト全体を考えられるようになります。

「問い合わせを増やす」だけではなく、その先まで考える

ホームページの目的を「問い合わせを増やす」と設定する場合も、もう一段深く考えてみることをおすすめします。

例えば、問い合わせ件数が増えたとしても、自社のサービスと合わない問い合わせばかりでは、必ずしも良い結果とはいえません。

重要なのは、自社が本当に必要としている問い合わせを増やすことです。

そのためには、ホームページ上で自社のサービス内容や対象となる顧客、強みなどを適切に伝える必要があります。

ユーザーがホームページを見た段階で「自分に合ったサービスだ」と理解できれば、問い合わせ後のミスマッチも減らしやすくなります。

つまり、ホームページの役割は単純に問い合わせフォームへ誘導することではなく、適切な情報提供によってユーザーの判断をサポートすることにもあります。

目的を実現するために「必要なコンテンツ」を考える

目的が決まったら、次に考えたいのが「その目的を実現するためには、どのような情報が必要なのか」です。

例えば、「新規顧客からの問い合わせを増やす」という目的なら、ユーザーが問い合わせをするまでの心理を考えてみます。

「この会社は何をしているのか」
↓
「自分の悩みを解決できそうか」
↓
「他社と何が違うのか」
↓
「安心して依頼できそうか」
↓
「費用や流れはどうなっているのか」
↓
「一度相談してみよう」

このような流れを想定すると、必要なコンテンツが見えてきます。

サービス・商品紹介
自社の強み
選ばれる理由
実績・事例
お客様の声
料金
ご利用の流れ
よくある質問
問い合わせ・相談への導線

こうした情報をユーザーの視点から整理することで、単なる情報の羅列ではなく、目的につながるホームページを設計できます。

SEOについても「目的」から考える

検索エンジンからのアクセスを増やしたい場合も、最初に目的を明確にしておくことが大切です。

「アクセス数を増やしたい」というだけでは、必ずしもビジネス上の成果にはつながりません。

例えば、地域密着型のサービスなら、全国から大量のアクセスを集めるよりも、サービスを必要としている地域のユーザーからアクセスを集めることのほうが重要です。

また、検索キーワードについても、単純に検索回数が多いキーワードを狙えばよいわけではありません。

自社の商品・サービスと関連性があり、実際の顧客につながる可能性があるキーワードを考える必要があります。

そのため、SEOも「検索順位を上げること」だけを目的にするのではなく、検索を通じてどのようなユーザーに訪問してもらい、何につなげたいのかという視点で考えることが重要です。

ホームページ公開後も「目的」を基準に改善する

ホームページは公開したら完成、というものではありません。

実際に公開した後には、Googleアナリティクスなどのアクセス解析を利用して、どのページが見られているのか、どこからユーザーが訪れているのか、どのページで離脱しているのかなどを確認できます。

問い合わせや資料請求、予約などを設定している場合は、コンバージョンにつながっているかを確認することもできます。

そして、分析した結果をもとに、

アクセスの多いページをさらに充実させる
閲覧されていないページの内容を見直す
問い合わせにつながりやすい導線に改善する
検索流入を増やしたいテーマの記事を追加する
ユーザーが迷いやすい情報を整理する

といった改善を繰り返します。

このときにも、最初に設定した「目的」が重要な判断基準になります。

ホームページ制作前に整理しておきたい5つのこと

ホームページ制作を始める前に、最低限次の項目を整理しておくと、制作会社との打ち合わせもスムーズになります。

1.ホームページを作る理由

なぜ新しく作るのか、なぜリニューアルするのかを整理します。

2.ホームページで実現したいこと

問い合わせ、購入、予約、採用、認知向上など、最終的な目的を考えます。

3.ターゲットユーザー

誰にホームページを見てもらいたいのかを具体的に考えます。

4.自社の強み・特徴

競合他社と比較したときに、自社にはどのような魅力があるのかを整理します。

.ユーザーにしてほしい行動

問い合わせ、電話、予約、資料請求、購入など、ホームページを見た後にどのような行動につなげたいのかを決めます。

これらを整理するだけでも、ホームページ制作の方向性は大きく変わってきます。

良いホームページは「目的」から逆算して設計されている

ホームページ制作では、デザインや機能、SEOなど、考えることがたくさんあります。

しかし、それらはすべてホームページの目的を実現するための手段です。

どれだけデザインが美しくても、ユーザーに必要な情報が届かなければ、問い合わせや購入にはつながりません。

どれだけ多くのアクセスを集めても、自社のサービスを必要としているユーザーに届かなければ、ビジネス上の成果にはつながりにくいでしょう。

だからこそ、ホームページを制作するときには、まず「このホームページを通して何を実現したいのか」を考えることが大切です。

目的が決まれば、ターゲットが見えてきます。

ターゲットが見えれば、必要な情報が見えてきます。

必要な情報が決まれば、ページ構成や導線が設計できます。

そして、それらをもとにデザインやSEO、コンテンツ制作を組み立てていくことができます。

ホームページ制作を成功させるために大切なのは、最初から「どんなホームページを作るか」を考えることではありません。

「ホームページを使って、何を実現したいのか」を明確にすること。

その目的から逆算してサイト全体を設計することが、ユーザーにとっても企業にとっても価値のあるホームページにつながります。

代表取締役写真

この記事を書いた人|横内 隆志

スキマデザイン株式会社 代表取締役。WEBディレクター・デザイナーとして、ホームページの企画・情報設計・デザイン・SEO・運用まで、WEB制作全般に携わっています。長年の制作経験をもとに、ユーザー目線で情報を整理し、企業やサービスの魅力がきちんと伝わるWEBサイトをご提案しています。愛媛・松山を中心に活動しています。