ホームページ制作前の「企画提案書」で信頼できる制作会社を見極める方法
ホームページを作るとき、制作会社から「企画提案書(プラン提案書)」を受け取ることが一般的です。これは、クライアントが望むホームページの方向性に対して、制作会社がどのようなアイデアや設計で応えるかを提示する大切な資料です。
しかし、この提案書をどう読み解けばいいのか、そもそも何を基準に「良い制作会社」か判断すべきか分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、依頼者の目線で企画提案書のどこに注目すべきかを詳しく解説します。
そもそも「企画提案書」とは?
企画提案書とは、ホームページの制作を受託する前段階で、制作会社がクライアントの要望をもとに作成する計画書です。以下のような内容が含まれるのが一般的です。
・プロジェクトの目的・課題の整理
・具体的な提案内容
・対象ユーザー(ターゲット)の設定
・コンテンツやページ構成案(サイトマップ)
・デザインの方向性(参考ビジュアルなど)
・機能仕様・CMS導入の有無
・制作スケジュール
・お見積書
この資料は、制作会社の企画力や理解度、姿勢が如実に表れるもの。
クライアントと制作会社の方向性が合っているかどうかを見極める重要な判断材料になります。
企画提案書で確認すべき6つのポイント
1.クライアントの課題を的確に理解しているか
もっとも重要なのは、制作会社が「あなたの悩みや課題を理解しているかどうか」。
提案書に、現在の課題や目的が的確に整理されているかを確認しましょう。
的外れな分析やテンプレート的な内容が並ぶだけであれば、その会社は十分なヒアリングを行っていない可能性があります。
チェック例:
・初回打ち合わせでのヒアリング内容はしっかり反映されているか。
・相談した内容について中途半端に把握していないか。
2.ユーザー像(ペルソナ)が明確か
提案書には、想定するユーザー層(ターゲット)の定義が含まれているのが理想です。
性別・年齢・行動特性・利用環境などを踏まえたペルソナ設定があるかどうかで、制作会社のマーケティング視点の有無が分かります。
チェック例:
・具体的なターゲットユーザーのイメージが想定されているか。
・ペルソナの設定内容が自社のターゲットユーザーとずれていないか。
3.提案される内容やその理由が論理的か
提案されるページ構成や掲載するコンテンツ案に、「なぜそれが必要なのか」という理由が添えられているかを見てください。
「一般的にそうだから」「流行りだから」という表面的な理由しかくみ取れない提案内容の場合は要注意です。
チェック例:
・ユーザーの視点・関心に合わせたコンテンツが提案されているか。
・提案内容が自社の課題解決につながる内容か。
・その業界の市場ニーズに合っているか。
4.提案に独自性があるか
複数社から提案書を受け取ると、「どれも似ている」と感じることがあります。
その中で、あなたの課題に特化したオリジナルな提案が含まれているかを見ましょう。
チェック例:
・テンプレート的なよくある内容で終始していないか。
・ホームページ制作会社としての実績からくる知見や専門性を感じられるか。
5.スケジュールが現実的か
スケジュールの提案も要チェックです。
あまりにタイトな工程や、工程が曖昧なスケジュールは、プロジェクトの進行に支障が出る可能性があります。
チェック例:
・そもそもスケジュール表(作業工程表)の提案はあるのか。
・スケジュールの内容があまりにもざっくりしすぎていないか。
6.コストと成果のバランスがとれているか
最終的には「費用対効果」が大切です。
見積もりが適正か、過剰な提案が含まれていないかをチェックしましょう。
YouTube等で事前に品質と相場感を把握しておくのも良いと思います。
「ホームページ制作 相場」「ホームページ制作 予算」等で検索。
チェック例:
・内訳に無駄な項目がないか。
・相場とあきらかにかけ離れた金額ではないか。
・見積り内容の説明(項目)がしっかり説明されているか。
・維持費・保守費も含めて説明されているか。
企画提案書にその会社の「姿勢」があらわれる
実は、提案書のクオリティは「その会社の姿勢」を映す鏡でもあります。
以下のような観点でもチェックしてみましょう。
・文章が読みやすいか(誤字脱字がないか)
・専門用語を多用してクライアントを置き去りにしていないか。
・一方通行ではなく、対話が感じられる提案か。
・会社独自の考え方や哲学が感じられるか。
ここで雑な提案書を出してくる会社は、制作段階でも「詰めが甘い」可能性があるので注意が必要です。
まとめ:提案書は「信頼できるパートナー」かを見極める鍵
ホームページ制作は、単なる「発注と納品」の関係ではなく、「共創」のプロセスです。
その入り口である企画提案書は、単なる資料以上の意味をもちます。
「この会社は、自社のことをちゃんと考えてくれているか?」
「この提案は、うちの未来に本当に必要なものか?」
そうした問いを持ちながら、提案書を読むことで、あなたにとって信頼できるパートナーかどうかを見極めることができます。